「ポジティブ思考」がよくて「ネガティブ思考が悪い」という考えをもっている方はとても多いと感じます。
ただ、私自身は盲目的に「ポジティブ思考がいい」と考えることや、「ネガティブ思考が悪い」と捉えることは危険であり、より人生を楽しく生きていくためには「ニュートラル思考」を取り入れることがおすすめといえます。
ここでは「このニュートラルな考え方が大切な理由」や「どのようにするとより中庸的な(ニュートラル)な性格になれるのか」といった具体的な対策について解説していきます。
ポジティブ思考の危険性
先にも述べたように、多くの人が「ポジティブ思考(プラス思考)の方がいい」と考えがちですが、ポジティブ思考も度が過ぎると、あなたの人生があまり楽しめなくなるケースが多くなります。
まずは以下でポジティブ思考でいることの落とし穴について確認していきます。
ネガティブ思考の人を排除しがち
ポジティブシンキングのデメリットの一つとして「マイナス思考の人に対して批判的になる」というものがあります。
もともとポジティブ思考を取り入れようしている方は「もっと人生を楽しめるように」「より幸せになれるように」とおもって、プラス思考を活用しはじめたことと思います。
このようなとき「ポジティブ思考だけがいい」という考え方が強くなってしまうと、ネガティブ思考の人を受け入れられなくなり、逆に争いを生みやすくなるのです。
具体例を考えていきましょう。
仕事で大きなミスをしてしまったAさんがいるとします。このとき、ポジティブ思考が極端に強いBさんはAさんに対して、
「元気を出して!次がんばろう」
などと声をかけたとします。
このとき、Bさんからすると「確かに嬉しく、ありがたい」と感じたものの、ダメージが大きいのもありすぐには元気にはなれなかったとします。
このような場面で極端にプラス思考だけがいいという状況に陥っているAさんからみると、Bさんを元気づけたのに、ポジティブにならなくて「何となく嫌だ」と思う気持ちが生じてしまうのです。
これがエスカレートすると、Aさんはもっと元気づけようとBさんに接することとなるのですが、BさんからするとAさんの「ポジティブの押しつけ」に対して拒否反応を示してしまいます。
もっと元気出していこうよ!
ポジティブの押しつけは逆につらい・・・
結果として、Aさんの過度なポジティブ思考が原因で争いを生む可能性もあるわけです。
自分の気持ちを偽ってまでプラス思考とらえようとする
なお、上では他人に対してポジティブ思考でいることのデメリットを記載したわけですが、過ぎたポジティブシンキングは自分自身も苦しめる結果になることもあります。
具体的には、自分自身の本当の気持ちを偽ってまで無理やりポジティブでいようとする状態を指します。
そして、自分の根本の気持ちに反して「無理にプラス思考でいる」と、明らかに自分自身がつらくなります。自分に嘘をついているような状態になるので「なんかもやもやしてしまう」ような状況になるわけです。
例えば、先述した例で仕事上での大きなミスをしたのが「ポジティブ思考だけがいい」と考えているBさんであったとします。
このような場面でBさんは本心としては「心底きついし、つらい」と感じているとします。しかしながら、ネガティブ思考が悪いことと考えているBさんからすると、このような状況になっても「明るく元気でいるべき」と考えがちで、実際にそのような感情であるっぽく見せようとします。
このように、自分の気持ちを偽って、プラス思考でいようとすると、Bさん自身がもっときつい状態となってしまうわけです。これもポジティブ思考の落とし穴の一つなわけです。
これでは、本来の「より楽しくすごすためにポジティブ思考を取り入れる」ことからかけ離れてしまっているのがわかります。
ニュートラル思考だともっと楽に生きられる ポジティブ思考もネガティブ思考もいい
このように、プラス思考だけに偏ることは「楽しいく幸せで満足できる人生を送る」という観点からは、私はおすすめできません。
だからといって、ネガティブ思考でいるように心がけるのももちろん自分が楽しくなくなりやすいです。
このような時に大切な考え方が「ニュートラル思考」といえます。
このニュートラル思考とは、ポジティブに偏るわけでもなく、ネガティブにかたよるわけでもない、バランスが取れた考え方ともいえます。
このニュートラル思考とは、ずっとこのニュートラス(中庸的)な状態を保つというよりは、ポジティブに偏るときもあるし、ネガティブに極端になることもあるけど、結局はバランスの取れた状態に戻ろうとする考え方ともいえます。
このニュートラル思考に近づけるポイントとしては、「ポジティブもネガティブもどっちも大切なんだ」ということが腑に落ちることと私は思います。
ポジティブの強制には注意しよう・・
ネガティブでなくニュートラルを目指そう
つまり、「どっちの感情も絶対起きるものなんだから、否定せずに受け止めよう」とする考え方ともいえます。そして、この概念が定着してくると「自分にも他人にも寛容でいられる」といえます。
結果として、人生がもっと楽になると私は実感しています(うまくニュートラル思考を活用できてるかわからないですが、徐々に成長していると自分では思っています)。
また、流行りのポジティブ思考もあながち間違いではなく、基本的に人って普通にしているとネガティブに偏りがちといえます。これは、顕在意識的に「より変化を妨げる考え方が自然と働くようになっている」ために、普通のことなのです。
つまり、何も意識していないとネガティブで居続けてしまうから、ポジティブさを上げ、ニュートラルでいようとしている行動ともいえます。
結局のところ、ニュートラル思考がベースにあって、それに近づけるために、プラス思考でいると丁度いいのだと考えられるといえます。
なお「常にニュートラル思考が大事だ」などと重く考えるのではなく、「自分がもっと幸せに楽に生きられるのかどうか」を判断基準として生きていくのが大切ということを理解しておくといいでしょう。